丁寧な暮らしを心がけている方に是非観てほしい!「暮らし」がテーマの映画をご紹介。
「いつか部屋を片付けよう」「いつか私もこんな暮らしがしたい」と思っていても、その“いつか”がなかなか来なくて、そのままになっていることってありませんか?
今回の記事では、【日本の暮らし】【北欧の暮らし】【その他海外の暮らし】3つのジャンル別に、生活や気持ちに余裕が生まれる映画をご紹介します♪
映画には、より良い暮らしを送るためのヒントが詰まっていますよ。
目次
日本の暮らしおすすめ映画
青葉家のテーブル
なりたい私となりたかった私が紡ぎ出す日常
- 公開:2021年
- 時間:104分
- 制作国:日本
一風変わった共同生活を送る青葉家。
青葉家は、シングルマザーの春子と息子のリク、春子の飲み友・めいこ、その彼氏・ソラオの4人で暮らしている。
ある日、春子の旧友である知世の娘・優子が美術予備校の夏期講習の間、青葉家に居候することになった。
「北欧、暮らしの道具店」と青春のヒリヒリ感を繊細に描き出す松本壮史監督がタッグを組んだ本作。
「北欧、暮らしの道具店」は、月間200万人が訪れる人気のECサイト。このたびオリジナル短編ドラマが長編映画化されました!
北欧雑貨好きには堪らない世界観のはず。隅々まで選びぬかれた雑貨に胸が踊ります♪
野菜を切ったり料理をお皿に盛りつけたり、そうした日常の美しさが、毎日の生活にきらめきを与えてくれると気づかせてくれる映画です。
コクリコ坂から
生活の知恵を教えてくれる“海”の生き方
- 公開:2011年
- 時間:95分
- 制作国:日本
舞台は、1963年の横浜。港の見える丘にある下宿屋「コクリコ荘」。
そこを切り盛りする16才の少女・海が通う高校では、文化部の部室棟、通称「カルチェラタン」が取り壊されようとしていた。1学年上の新聞部長・俊との出会いから始まる青春の物語。
スタジオジブリ映画『コクリコ坂から』は、何気ない日常が丁寧に描かれているんです。
手嶌葵さんの挿入歌「朝ごはんの歌」に合わせて、海が下宿人に朝ごはんを作るシーンは特に見どころ!無駄のない手際の良さは、整えられた台所だからこそ発揮されるのかもしれません。
前の日に浸しておいたお釜のご飯や、綺麗に並べられた食器にハムエッグをのせていく姿には惚れ惚れします。無駄のない動きは前もって準備しているからできること。
海の姿からは、暮らしやすさのヒントを学べますよ♪
日日是好日
日本の詫びさびに触れられる映画
- 公開:2018年
- 時間:100分
- 制作国:日本
20歳になった春、典子と従兄弟の美智子は茶道教室に通い始める。
理屈っぽく真面目でおっちょこちょいな典子と、竹を割ったような性格の美智子。
2人が通う先は、典子の母が「ただ者ではない」と見込んだ武田先生の教室。その教室には、「日日是好日」と書かれた掛け軸があった。
茶道の所作を教わった典子と美智子は、その都度、意味や理由を尋ねる。すると武田先生は「お茶ってそういうものなのよ」と言って笑う。
本当にやりたいことが何かわからなかった典子は、茶道を通して日日是好日=毎日が良い日という言葉の意味を見出していく-。
「雨の日は雨を聴く。五感を使って全身でその瞬間を味わう」
「世の中には、すぐわかるものとすぐわからないものがある。すぐにわからないものは、長い時間をかけて少しずつわかってくる」
作中で、典子が言った言葉です。
お茶を続けていくうちに、典子の中で少しずつ変化が表れました。
お茶室の掛け軸を見て「文字を頭で読まずに絵画のように眺めればいいんだ」と感動するようになったり、お湯や水の音の違いに気づけるようになったりしていくのです。
時間をかけて毎日の素晴らしさに気づいていく典子の姿は、日常をより豊かなものへと変えていったように思います。
北欧の暮らしおすすめ映画
わたしの叔父さん
手際よく用意された朝食には、ふたりの時間が刻まれている
- 公開:2021年
- 時間:106分
- 制作国:デンマーク
父と娘のように暮らしてきた叔父さんと姪・クリス。
舞台はのどかで美しいデンマークの農村。27歳のクリスは、足の不自由な叔父さんと酪農業を営んでいる。
毎朝早く起きて、髪の毛を結い、叔父さんの世話と家事をこなす。朝ごはんを食べながら数独の本を読み、その後は牛の世話や牛舎の清掃をする。
夕食後は叔父さんとボードゲームをしたりテレビを見たり。週一回は、スーパーマーケットへ買い出しに行く。
ルーティン化された毎日を淡々と送るクリスだったが、ある時を境に穏やかな日常に変化が訪れる-。
小津安二郎に影響を受けたというピーダセン監督。叔父さんとクリスの食卓風景の切り取りかたなど、まるでドキュメンタリーを観ているようでした。
ルーティン化された日常は一見退屈そうにも見えますが、日々同じことを繰り返すことが“心の安定”にも繋がっているのかもしれません。
基本的に静寂に包まれた映画ですが、所々にユーモアがちりばめられていて、クスっと笑えるんです。日常に変化が訪れたとき、クリスの葛藤や悩み、喜びにはきっと共感できる部分があるはず。
北欧好きであればコーヒーポットや花柄のボール、キッチンのタイル、照明など、叔父さんとクリスの生活に必要な物たちにも目を惹きつけられるかもしれませんよ♪
主婦の学校
自分の手で自分の暮らしをつくっていく楽しみ
- 公開:2021年
- 時間:78分
- 制作国:アイスランド
北欧の島国・アイスランドのレイキャビクに、1942年から現在まで続く伝統ある家政学校「主婦の学校」がある。初歩的な料理からおもてなし料理の調理方法や縫製技術、テーブルセッティング、食事マナーなど生活全般の家事を全般的に学べる学校だ。1990年代に男子学生も受け入れて男女共学となり、性別に関係なく生活の知恵と技術を学ぶために、アイスランド全土から学生が集まってくる。
学生の進学理由は、「主婦になるために行くわけじゃない」「男でも自分のことは自分で面倒を見られる人間になりたい」と様々。
「主婦の学校」は学位を取るための学校ではなく、知恵や技術を学びたい人が自分のために行く学校なのだ。
これまでの卒業生には、主婦を始め美容家、俳優、芸術家、アイスランドの環境・天然資源大臣など幅広い立場の方々がいます。
そして皆が口を揃えて言うのが「いまを生きる」術を身につけられたということ。些細なことでも自分の手でできることが増えれば、生活を大切にすることに繋がります。
例えば破れた衣服の修理ができるようになるだけで、サスティナブル(持続可能な)の実現にも役立ちますよね。
2021年現在、男性の育休取得率は70%を超えるアイスランド。家事は“主婦”のものだけではなくなってきています。
家事を楽しみながら丁寧にするだけで、日々の暮らしは変わっていくのかもしれません。なぜなら、自分の手で暮らしを作っていくということは、自分で自分の生活をコントロールしていくことだからです。
誰かに頼っていた時には得られない、生きているという実感を得られると思いませんか?
オンネリとアンネリのおうち
楽しい暮らしはドキドキワクワクからはじまる!
- 公開:2018年
- 時間:80分
- 制作国:フィンランド
黒髪の女の子オンネリと金髪の女の子アンネリは大の仲良し。ある日ふたりはバラの通りで「正直者にあげます」と書かれた封筒を拾う。そこには大金が入っていた。
拾った場所に返しに行くと、バラの木夫人が現れてそのお金で夢のような水色のおうちを買うことに。
オンネリは9人家族の真ん中で、アンネリは離婚したお母さんとお父さんの間を行ったり来たりしていた。ふたりの両親は多忙で、オンネリとアンネリが家にいなくても気づかない。
近寄りがたいお隣さんや魔法が使える姉妹とのご近所づきあいをしながら、ふたりはふたりだけのおうちで楽しく暮らすことになった-。
フィンランドの家具や雑貨、ふたりのおそろいの洋服、すべてが可愛くて堪りません!オンネリとアンネリの可愛さと色彩豊かな世界観に目が釘付けに。
子ども向け映画ではありますが、少女時代に友だちだけで暮らしてみたいと思ったことのある方も多いのではないでしょうか。
自分たちの好きな物に囲まれて、好きな時間に好きなことをする。こんな幸せはありませんよね。
とびきりキュートな暮らしを堪能できる映画です♪
その他海外の暮らしおすすめ映画
ハッピー・オールド・イヤー
思い出は簡単には捨てられない
- 公開:2020年
- 時間:113分
- 制作国:タイ
スウェーデン留学から帰国したデザイナーのジーン。母と兄と3人で暮らすタイの自宅をリフォームすることに。
ジーンの計画は、かつて父が営んでいた音楽教室兼自宅の小さなビルを、デザイン事務所兼自宅にリフォームすることだった。
北欧で出会った“ミニマルスタイル”に憧れ、断捨離をスタートさせたジーン。ところが、母はリフォームに猛反対!内装屋の親友・ピンクからは、物を減らすことがリフォームの最低条件だと急かされ、ジーンは頭を抱えていた。
デザイナーのジーンが理想とする暮らしは、物が少ないミニマルな暮らしでした。
家に溢れていた不要な物を片っ端から捨てていくジーン。しかし断捨離を進めていくうちに、思い出の品は簡単に捨てられず悩み始めるのです。
例えば元恋人のカメラだったり、父の残していったグランドピアノだったり…。
人間の気持ちは、そう簡単に捨てられないですよね。だからといって物に溢れた生活も息苦しいもの。鑑賞後には、手放せるものは手放しながら身も心も軽やかに暮らしていきたいと思いました。
パターソン
こぼれ落ちていく日常を発見に変える
- 公開:2017年
- 時間:118分
- 制作国:アメリカ
バスの運転手をしているパターソンは、毎朝規則正しく起きて出勤する。そして時間を見つけてはノートに詩を書き留めていた。
帰宅すると妻・ローラの作るちょっと風変わりな食事を食べて、夜に愛犬・マーヴィンの散歩に出かける。帰りに行きつけのバーに寄り、ビールを一杯だけ飲んで帰宅する。これがパターソンの一日だった。
この作品は、特に何か事件が起きるわけではありません。ただ淡々と代り映えしない日常が過ぎていきます。
しかし、些細なことを無視せず詩にしていくパターソンの姿は、過ぎていく日々に同じ景色はないことを教えてくれるんです。
ルーティン化された日常に、安らぎを感じ、それこそ「たしかなこと」だと気づかせてくれます。
丁寧に暮らしていくこととは、小さな気づきを大切にしながら生きることなのかもしれません。
ターシャ・テューダー 静かな水の物語
しあわせに生きる場所は探すことができる
- 公開:2017年
- 時間:105分
- 制作国:日本
米国バーモント州。雪深い山奥にコーギコテージがある。軒先にはつららができているコテージには、コーギ犬と一緒に暮らす1人の女性の姿があった。
アメリカを代表する絵本作家、ターシャ・テューダー。絵の仕事だけで4人の子どもを育てあげ、50代半ばから亡くなる92歳までの間、一人暮らしを謳歌した。
「私は希望の光に向かってすべての瞬間を楽しんできた」と語る、ターシャの暮らしから見えてくるものとは?
ロウソクや暖炉の火を見ていると、不思議と心が落ち着いていきます。ゆらゆらと揺れる炎は心まで温めてくれるのでしょうか。
ターシャ・テューダーの家は、まるで彼女自身の絵本の中に出てくるみたいに胸が高鳴ります。
数多くの絵本を描いてきたターシャの母は、肖像画家でした。母の教えは「写真でなく実物を見て、眼を鍛えろ」。
幼い頃からものを見る力に長けていたターシャの暮らしは、細部にまでこだわり抜かれているように感じます。
30年の年月をかけて作り上げた、広大な庭一面に咲き誇る草花。1830年代の古いバラなどの草花を、種から育てている自慢の庭だそう。
「数えきれないほど絵を描いてきたけど満足いく絵は少ないわ」
そう語るターシャの言葉、ひとつひとつに重みがあり、大切にしまっておきたい気持ちにさせてくれるんです。
まとめ
丁寧な暮らしとは、自分の手で小さな気づきを掬い上げていくことなのではないでしょうか。それは何も特別なことではありません。
忙しい毎日の中で少しだけ手を止めて、ほっと一息つくだけでも今まで気づけなかった“何か”に気づくことができるかも。
そんなヒントを与えてくれる映画9選をご紹介しました!自分にとってのより良い暮らしを見つけてみませんか?