子育て中のママにぜひ見て欲しい『子育て』をテーマにした映画を、4つのジャンルに分けてご紹介。
・女性の生きづらさを描いた作品編
・みんな違ってみんないいと思える作品編
・嗚咽が止まらない!作品編
・これこそ現実!?ドキュメンタリー映画編
子育てをしていると、喜び以上にストレスや疲れを感じることってありますよね。そんな時に気分転換になり、活力を与えてくれる映画があります。
子育てで疲れた時こそ、ちょっとひと息ついて日常から離れてみるのはいかがでしょうか。
映画なら、自宅にいても遠くへ連れて行ってくれます。きっと子育てのヒントになる、新たな気づきがあるはずですよ。
目次
【子育て映画】女性の生きづらさを描いた作品編
タリーと私の秘密の時間
『子育てでも完璧を求めてしまうあなたへ』出産を機に心が折れてしまった女性が、自分を取り戻していく物語
- 公開:2018年
- 時間:95分
- 制作国:アメリカ
何事も完璧にこなしてきた主人公マーロ。3人目の子どもが誕生して、ついに心も体も限界に。
自由奔放で女性としても魅力的なベビーシッター・タリーとの交流を通して、マーロは本来の輝きを取り戻していく-。
寝たいのに眠れない、赤ちゃん中心の生活。出産直後のたるんだ身体。
喜ばしいはずの赤ちゃんとの生活が、いつの間にか余裕がなくなり、思い通りにいかずイライラする・・。
出産育児経験のあるママなら、誰しもが経験していることではないでしょうか。
この映画を観た後は、もう少し自分を労ってあげようと思いました。
「抱え込まずに、誰かに頼ることって大切なのはわかっているけれど・・なかなか難しい」そんなあなたに、おすすめの映画です。
82年生まれ、キム・ジヨン
『誰かの娘でも誰かの母でもなく、私はわたし』日常に潜む「痛み」を掬い上げてくれる物語
- 公開:2020年
- 時間:118分
- 制作国:韓国
妊娠・出産を機に仕事を辞めたジヨン。
育児と家事に追われる日々を送っていた彼女は、時々閉じ込められているような感覚に陥ることがあった。
ある時、ジヨンはまるで他人が憑依したような言動をとるように。それを見た彼女の夫は、妻のことを相談するために、精神科を訪れる。
しかし、本人が来ないことには治療は進められないと言われ-。
少女時代から社会人、そして母親になるまでの彼女の人生から見えてくるもの・・。それは、男尊女卑という一つの歴史が影響していました。
生きづらさというのは外から見えにくいもの。
この映画では、女性の生きづらさが描かれていますが、一方で男性特有の生きづらさや性別では括れない生きづらさも存在するはずです。
その根底にあるものは、私たちが無意識のうちに植え付けられた「価値観」によるものなのかもしれません。
立場の違う者同士が理解し合うには、思いを外に出して伝えることが必要なのだと思いました。
【子育て映画】みんな違ってみんないいと思える作品編
ワンダー君は太陽
少年の勇気と家族の愛が未来を変える!太陽のようにきらめく少年の成長物語
- 公開:2018年
- 時間:113分
- 制作国:アメリカ
生まれつき顔に障害がある少年“オギー“は、10歳で初めて学校に通う。外見の違いから、偏見やいじめに晒されながらも、彼の勇気ある行動が少しずつ周囲を変えていく-。
周囲と見た目が違うというのは、よくわからないから怖い=だから遠ざけたいという人の心が働くのでしょうか。
家族の愛に支えられながら、オギーは一歩を踏み出します。
怖いのは、みんな同じ。人は励まし合い、支え合いながら生きているのだなと感じずにはいられません。
大なり小なり、誰しもがコンプレックスを抱えていますよね。
コンプレックスをどうやって受け入れて生きていくのかを、登場人物たちの視点を通して考えるきっかけになる映画です。
チョコレートドーナツ
『魂を揺さぶられる!本物の愛』実話から生まれた感動の物語
- 公開:2014年
- 時間:97分
- 制作国:アメリカ
1970年代のアメリカ・ブルックリンで「ダウン症の子どもが母親に育児放棄され、ゲイのカップルと家族になる話」。
しかしゲイであるがゆえに、法と好奇の目にさらされ3人は引き離されそうになり-。
家族のカタチは色々あっていい。時に血のつながりを越える、本物の愛があるのだと思います。
相手のことを本当に思いやる眼差しは、どこまでも優しく温かく。言葉はいらないのかもしれません。
愛する我が子を奪われる苦しみに、胸が張り裂けそうになります。
当たり前のことが当たり前とされない社会の矛盾と、そこに立ち向かう人々の愛の物語です。
Mommy/マミー
世界は自分たちの手で変えられる!母子の愛と揺らぎを描いた物語
- 公開:2015年
- 時間:134分
- 制作国:カナダ
2015年、架空のカナダで起きた出来事を描くフィクション映画。
新政権が成立し、内閣は新たな法律を可決する。なかでも議論を呼んだのは、S-14法案。
発達障害児の親が、経済的困窮や、身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入所させる権利を保障した法律だった。
この法律ができたことにより、発達障害児の親の揺らぎと決断を描く-。
架空の法律とはいえ、人が考え出しそうなリアリティを感じて人間の怖さを感じました。
愛だけでは生きてゆけない社会の厳しさを目の当たりにしたとき、自分だったらどんな選択をするだろう?と考えさせられました。
生きていくって答えの出せないことにも答えを探して、自分を納得させることなのかもしれません。
母の強さと、子どもを包み込むような大きな愛を感じる映画です。
【子育て映画】嗚咽が止まらない!作品編
朝が来る
『なかったことにしないで』本当の正しさとは何かを突きつけられる、それぞれの「人生」を描いた物語
- 公開:2020年
- 時間:139分
- 制作国:日本
「子どもを返してほしいんです」一本の電話から全ては始まった。
不妊治療をしていた夫婦は、「特別養子縁組」という制度を知って男の子の親になる。それから6年、夫婦は息子と幸せな生活を送っていたのだが-。
人生における光と影の対比。人が抗えない現実。
「現実」に振り回されながらも、人は選択し続けなければいけません。
私たちは「現実」をどれくらい正しく直視できているのだろうと、考えずにはいられない映画です。
産みの親の事情と、育ての親の事情。それぞれの立場から見えてくる「現実」が、胸に刺さります。
正しさとは何かを考えさせられる映画です。
ルーム
『母子の姿に嗚咽が漏れる愛の物語』主演のブリー・ラーソンが、第88回アカデミー賞主演女優賞に輝いた作品!
- 公開:2016年
- 時間:118分
- 制作国:アイルランド・カナダ合作
突然の監禁から7年。自分を監禁した相手の子どもを妊娠・出産した女性は、全てをかけて監禁部屋から脱出を試みる。
奪われた人生を取り戻すため、「部屋」が世界の全てだった息子に、「世界の広さ」を見せるために-。
同じくらいの歳のお子さんがいるママは、胸が抉られるかもしれません。
他人の手によって狭められた世界で生きてきた母子の物語は、涙なしに見ることはできませんでした。
この映画は「部屋」を脱出して終わりではなく、脱出した後の生活が丁寧に描かれています。
事件によってもたらされた心の傷や、息子を想う母の願い、息子の純粋な眼差しにもスポットがあてられています。
失ったものは多いけれど、そこから得られたこともあったのだと気づかされる映画です。
きみはいい子
『誰かに大切にされたいのは、子どもも大人もみんな同じ』様々な悩みや問題を抱えた人々の、再生と希望を描いた物語
- 公開:2015年
- 時間:121分
- 制作国:日本
真面目だが優柔不断の新米教師・岡野は、児童や父兄に振り回されてばかり。
表面的なママ友付き合いしかできない母親・雅美は、自分の娘に手を上げてしまう。
中脇初枝の短編集を呉美保監督が映画化した群像ドラマ。
子どもも大人も抱きしめられたいのは一緒。抱きしめられると、相手の温もりを感じ安心できるから。
言葉以上に肌と肌の触れ合いが、人の凍った心も溶かしていくのかもしれません。
誰かに大切にされた経験があるから、誰かを思いやれる。そして、その経験が「生きる希望」にも繋がるのだと思います。
痛みを分かち合おうとした人々の優しさに、涙が止まりませんでした。
【子育て映画】これこそ現実!?ドキュメンタリー映画編
うたのはじまり
『あなたにとって歌って何ですか?』耳が聞こえない夫婦から生まれた子守歌
- 公開:2020年
- 時間:86分
- 制作国:日本
“ろう”の写真家、齋藤陽道。妻である・盛山麻奈美もまた、ろう者。
2人の間に産まれた子どもは、“聴者“でした。
「僕にとって音楽はただの振動でした」と語る彼は、歌が嫌いだったと言います。
彼らの息子が突然泣いた時、ふとこぼれ落ちた子守歌。
歌を聞いたことがない彼らの全身から溢れていく子守歌は、子どもの表情も変えていきました。
歌というのは、誰しもが本能的に持っているもので、誰かに教わるものではないのかもしれません。
誰もが自分の「うた」を持って、生まれてきているのではないかとさえ感じました。
振動だった音の世界で、「うた」が生まれる瞬間。剥き出しの「人の生」に触れることができる映画です。
かみさまとのやくそく~あなたは親を選んで生まれてきた~
『わたしたちは、何のために生まれてきたのか?』胎内記憶を持つ子どもたち
- 公開:2017年
- 時間:101分
- 制作国:日本
赤ちゃんが言葉を話す前のママのお腹の中にいた頃や、それ以前の記憶を持っていたとしたら、その話を聞いてみたいと思いませんか。
胎内記憶のある子どもたちは、生まれてきた理由を尋ねると「お母さんの役に立つため」と答えるといいます。
「自分が生まれて、お母さんが幸せ、これが子どもたちにとっても幸せなんです」と、産婦人科医で胎内記憶研究の第一人者である池川明医師。
子育ては思い通りにいかないことや大変なことが山ほどありますが、胎内記憶のような世界があるかもしれないと思うだけで、少しだけ優しい気持ちになれる気がします。
「生まれてくることには意味がある」と思えることは、自分自身を認めてあげることでもありますよね。
目には見えないけれど、あったらいいなと思える世界に出会える映画です。
まとめ
子育て中のママにおすすめしたい映画、10作品をご紹介いたしました。
映画の良いところは、様々な視点を擬似体験できることだと思います。今の自分とリンクする部分や、新たな発見があるはず。
映画には色んなジャンルがあるので、泣きたい時、笑いたい時など、その日の気分に合わせて映画を選んでみるのもおすすめです。
あまり観ないジャンルに挑戦してみるのも楽しいですよ。